顔は体の部位の中でも毛細血管の密度が高く、たくさんの血管が集中しています。温度変化が原因で血管が拡張すると、個人差はありますが頬の赤さが目立つ状態になります。

皮膚内の毛細血管は、屋外の温度差に合わせて主に自律神経によってコントロールされ、血管を拡張したり伸縮させて体温を維持しています。屋内と外気の温度差が大きい時は、毛細血管は拡張伸縮を頻繁に行っていますが、自律神経が過敏になると、少しの刺激でも毛細血管は拡張し、血流が停滞してうっ血した状態になり、赤ら顔の状態になってしまいます。

自律神経のコントロールによって、気温が低い時は血管を収縮して体温の低下を防いでいますが、直接外気にさらされている頬は、血管を拡張して皮膚温度の低下を防いでいます。寒い屋外から暖房の効いた室内に入ると、暖かい周囲の温度に反応して体内の血管は、収縮した状態からゆっくりと拡張しますが、直前まで冷たい外気にさらされていた頬の毛細血管は、体温維持のため自律神経の作用でさらに拡張するため、赤ら顔になってしまいます。

暖かい屋内から冷たい風が吹く寒い屋外へ出た場合は、やはり自律神経の作用で体温の低下を防ぐために、直接冷たい外気に触れる顔の頬の血管が拡張するので、血液の色が目立って赤ら顔になります。

赤ら顔は自律神経の関係、つまり交感神経が緊張すると皮膚の下にきている毛細血管が拡張し、いわばうっ血した状態となって皮膚が赤く浮き上がって起こると言われています。特に顔は体の他の部位に比べ皮膚が薄く、常に露出していて外気に触れていますので温度変化に敏感に反応します。表皮の厚さには個人差があり約0.2mm程度ですが、敏感肌質などの場合は表皮が薄くなっているため、温度や環境等の皮膚への刺激がストレ－トに真皮に伝わり、毛細血管の拡張による顔の火照りで、血管内の血液の色が透けて見えて顔の赤みが目立つ様になります。

赤ら顔にならない人、なりやすい人など個人差がありますが、敏感肌で表皮の厚さが薄い人、血液循環の悪い人、過度にストレスがある人などは、自律神経が過敏に反応しやすいので、急激な温度変化が原因で赤ら顔になりやすいと言えます。

自律神経が原因で「気温の寒暖差で顔が赤くなる」「緊張で顔が赤くなる」など、赤ら顔の症状が出ている場合は、皮膚科的な治療では改善できません。

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