プロローグ
お肌トラブルの解消は、自然で安心な方法が一番
赤ら顔、シミ、小ジワ、肌われ、キズ痕など、お肌のトラブルがあれば、治したい、きれいにしたい…と誰もが思うことでしょう。わたしは永年エステティックの仕事をしてきましたので、お肌のトラブルで悩む女性の気持ちはよくわかります。
では、こういったトラブルを解消するには、どうしたらよいでしょうか?
薬や化粧品を使えばよいでしょうか。
メイクで隠せばすむでしょうか。
それとも、整形手術で気になる部分を整えれば、美しくなれるのでしょうか。
でも、考えてみてください。薬や化粧品、整形手術などは、不自然なことではありませんか。どれも人工的に皮膚になんらかの手を加える方法です。副作用などの心配もともないます。
わたしはもっと自然な方法でお肌のトラブルは解消できると思うのです。お肌になんの負担もかけず、また害も与えず、副作用などの心配もまったくない方法です。
そもそも人間には病気やキズなどを自分で自然に治す力「自然治癒力」が備わっています。実は、いつまでもキズやシミなどの痕が残ってきれいにならないのは、その自然治癒力がうまく働かない場合が多いのです。
エステティック本来の目的は、人それぞれが持っているエネルギーや個性を、自然なかたちで、充分に引き出すお手伝いをすることです。たんにお肌の表面を美しく見せるというものではありません。少なくとも、わたしが学んだフランスやイタリアでのエステは、まず最初にこの理念を徹底的に教えられました。それゆえこの理念にのっとったフランス・エステは、医療行為と同じくらい社会的地位を得ているのです。このことは後述しますが、エステ本来の目的は自然治癒力の活性化なのです。
本当の「きれい」を考えよう
ところで、きれいになる、美しくなるとは、どういうことを言うのでしょうか。 顔や体型を自分の望むように変えることが、美しくなることだ、と思ってはいませんか。
わたしはエステティックという仕事を通して思うのは、いくら顔立ちがよくても、スタイルがよくても、その人自身が健康で本当に輝いていなければ「きれい」とは言えないということです。
肌のトラブルの原因が、内臓の不調という場合も多々あります。また、皆さんも実感されることがあると思いますが、不規則な生活をしていたり、ストレスがたまると肌も荒れてくるものです。
ですから、肌をきれいにしようとするなら、ライフスタイルや心の問題も含め、トータルに意識していかなければ効果は期待できません。うわべだけに目を向けていては、「きれい」「美しい」は実現しないのです。
きれいな肌を持つ人は、身体もきれい。身体がきれいな人は、心もきれい。心がきれいな人は、生活もきれい。肌も身体も心もすべてトータルで、自身を磨くことが、本当の美しさだと考えています。
37年にわたり肌のトラブルをカウンセリングしてきて、時代の流れ、世相、世の中の雰囲気といったことが、文字どおり肌を通して伝わってくるということを知りました。
人間が本来持っている自然のエネルギーを十分に引き出し、活性化させることがマグネテラピーの目的であり、エステティックの使命だと私は考えています。ですから、これまで化粧品や食べ物、肌の手入れなどで「常識」とされてきたことで本当はそれが「非常識」であることに関しては、根拠を示しつつ、はっきりと述べていきます。
この本を手に取られたあなたが、本当のエステティックとは何か、人間の健康とは何か、ひいては自然が私たち人間に与えてくれたエネルギーは、その気になればいつでも活性化できるのだということを知るきっかけになれば幸いです。