小さな額のキズ痕がだんだん薄くなり消えたが、自分では気付かないことが多い。

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2章 私たちはマグネテラピーで人生が変わった
 「キズ痕」がだんだん薄くなる

「小さなキズ」を気づかれずに消し、幸せをつかんだ女性

カウンセリングに来たB子さんは「もう男なんかいなくても生きていける」とたいそうな勢いでまくしたてました。そして、「先生、女ってとどのつまりは顔なんですね。このキズを見てください。私、これが原因で彼と別れたんです」と額を指さしました。

よく見ると、なにかで擦ったような痕があり、本人によればそのキズ痕が人生を狂わせるきっかけになったのだそうです。

「彼にからかわれたんでしょう」と私。

「そんなんじゃありません。このキズは小学校5年生の時に運動場で転んでできたキズですが、オキシフルをつけて消毒し、赤チンを塗ってもらったらすぐ治ったんです。治ったのでキズのことはすっかり忘れてしまっていたんです。」

ところが高校を卒業するころ、化粧品メーカーの販売員が学校にやってきて、メイクの仕方とかを教える催しがあった。就職予定だった彼女は「職場で恥をかかないお化粧くらいは知らなくちゃいけない」とそれに参加したんですね。

「1人ずつ順番にメーカーのおねえさんたちにメイクしてもらい、私の番になったとき、担当の販売員が私の額をチラッと見て、『あら、こんなところにキズ痕があるわね』と言ったんです。」

その日以来、彼女は毎日鏡と睨めっこしながら、額のキズ痕をメイクで隠すにはどうしたらいいか、研究に余念がない。ついには、キズ痕がとても大きくなった夢を見るほどになってしまったそうです。

職場で素敵な男性と巡り会い、お付き合いをするようになると、彼女はもう気が気ではなくなりました。いくらメイクで上手に隠しても、いつかは彼に「そのキズ痕どうしたの?」と聞かれる日がやってくるようで、生きた心地もしなかったそうです。

「ある日、デートしていたとき、何気なく通りを見ながら、彼が呟いたんです。『あの子ずいぶん化粧がきついけど、ああいう子に限って素肌がきたなかったりするんだよね』って。私、内心ビクッとしたんですけど、知らん顔して『そうねえ』とだけ言って話題を変えてしまったんです。」フランス料理を食べる予定だったその日のデートを適当な理由をつけて切り上げた彼女は、家に逃げ帰ったのでした。誰でもキズ痕は「残ってしまったらもうきれいにはならない」と思い込んでいます。彼女もそうでした。

翌日、彼女は彼に電話をかけ、「しばらく会いたくない」と言っただけでお付き合いを一方的におしまいにしてしまったのでした。びっくりしたのは彼のほうで、何か気に障るようなことを言ったのかと、キツネにでもつままれた気分だったでしょう。

それから彼女はマグネテラピーを受け、明らかにキズ痕が薄くなって、素顔でもよくわからないほどきれいになると、それまで避けてきた彼との関係を修復しました。彼女は彼とめでたく結婚、2人の子にも恵まれ幸せに暮らしています。

彼女は私のところへ初めてきたとき「このキズで彼と別れた」と言いましたが、実際は、彼はそのキズを彼女に指摘したわけではなかった。そういうことに敏感な化粧品の販売員が気づいただけでした。

でも、気づいてしまうとどうにも気になって仕方がない、ということが本人にはあるもの。そういう場合はやはり自分が納得できるように心の整理をする必要があります。B子さんにとってはその方法がマグネテラピーだったわけです。


きれいになっても自分で気づかないことが多い

沖縄出身のC子さんは、カウンセリングで「本当にキズ痕がきれいになるんでしょうか」と疑り深い目で質問してきました。

私は「きれいになると信じれば、マグネテラピーはそれだけ効果があります。でも今日、明日にはきれいにはなりませんよ。きちんと時間をかけてやらなくちゃダメです。」と答えました。

マグネテラピーを始めて約一年がたったころ、彼女は、「先生、こんなに続けているのに、きれいになってないじゃないですか」と私に不満をもらすようになりました。そこで一年前の写真を出して彼女に見せたのです。

「これが始めた時のものですよ。こちらは今日撮影した写真。比べてみてごらんなさい。だいぶきれいになったと思いませんか。」

意地が悪いようですが、私にとってはこの瞬間がたまらない快感なのです。本人は毎日のように鏡を見ているので、微妙にきれいになっていく過程に気がつきません。しかし、一年の間に確実にきれいになっているのです。

だから、ずっと会ってない人間が久しぶりに彼女を見たら「エーッ」とびっくりするはず。それくらい変わっているのに、本人は気づかない。こういうことがよくあります。

C子さんは2枚の写真を見比べてみて、初めてその効果に気づいたのでした。


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